歌を歩く〜風の靴をはいて〜

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CD「唄いそびれた夜をさがしに」

100万回生きたねこ 誕生 ドリアン 幸せな愛などない
わが故郷 黒髪ゆらせた風 バンコクの朝 足利
GOOD LUCK 親不知・冬の旅 カウンター・バー 唄いそびれた夜をさがしに

CD『唄いそびれた夜をさがしに』

足利 ・・・短歌朗読・・・

[作詩・作曲]藤本すすむ

 
あの夏は カンカンカラカラ雨もなく 陽射しがからだにからむのだった
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足利のゴルフ場造成地にて 汗水流しひと夏過ぎぬ
土運び芝張り水散きジュレンひき 一日七千五百円
のど乾き汗ふく顔は泥だらけ 風なき胸に夕立恋し
「食うために食われてはなるまい」 心の芝でウタ歌ってる
八月の祈りを知らずかげろうは 風の影にも怯えていたり
天に向け断念の矢を放つのだ 愛とはもしや真昼の星座
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    一緒に働いている長沢君はアルバイトをしながら世界中を旅している。
    水上君はやりたいことが見つからず、定職にはまだ着きたくないという。
    それに地元の農家の人たち、福島からの出稼ぎの老人、飯場を転々と
    回っている夫婦づれ。炊事ががりのその奥さんにいつも大盛のご飯と
    おかずを余計にもらったのだが
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西日射す 腕を見れば日に焼けた肌ぞ淋しき夕暮れの風
蚊をたたき待ったばかりの将棋指し 盆にも帰らぬ故郷を語る
十六で日本縦断歩き旅 与那国の水、宗谷に捨てりと
「あんちゃんも一杯やっか」
焼酎と味付け海苔出す老人の 日焼けた顔の髭の白きが
洗濯物万国旗みたいに干されてる 飯場八畳酒瓶三本
じっとなどしておられぬよ星条旗 旗振る頂き見える出ないか
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     渡良瀬川の河畔で花火大会がある夜、さっと風呂を済ませみんなで
     タクシー乗った。河畔は花火見物の人でいっぱいだった。浴衣を着た
     少女の髪が夜風にさらさら揺れていた。土手に座りビールを飲みなが
     ら、ぼくはずっと花火を見ていた。
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青春は打ち上げられて消えてゆく 花火であればかなしからずに
わが青春線香花火だになれず 例えるならばネズミ花火か
眼の覚める歌いつかはと願いしが 待ちあきたるやつくつくぼうし
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あの夏は カンカンカラカラ雨もなく 陽射しがからだにからむのだった
 
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